エントロピーがもたらす効果とは?!その詳細に迫る!

エントロピーがもたらす効果には様々なものがあり、私達の生活にも影響しています。哲学的に説明されることも多いエントロピーについて、例をあげながら分かりやすく具体的に解説していきます。エントロピーの効果を知り、その法則や考え方を学んでいきましょう。

エントロピーがもたらす効果とは?!その詳細に迫る!

どこかで「エントロピー」という言葉を聞いたことがありますか?元々エントロピーとは熱力学において使用される用語であり、具体的にどんな効果をもたらすことを指すのか知らない人も少なくありません。そんなエントロピーの正体や効果、法則について詳細を解説します。

エントロピーとは一体…?!

ネット媒体や辞書などで「エントロピー」という言葉を調べてみても、言葉で中々理解できないことも多く、もやもやした経験を持つ人もいます。まずは、エントロピーの働きや言葉が似ているエンタルピーとの違いを説明していきます。

エントロピーの働き

エントロピーとは、最初は規則性のあったものが不規則になり、一方向に事が進む働きのことを指します。簡単に考えると、逆方向には戻ることがなく、自然の流れに任せて物事が進む現象のことです。

エンタルピー効果との違い

エントロピーと言葉が似ているエンタルピーは、エネルギーを表す時に使用される用語です。圧力が一定である条件下で、「エネルギー保存の法則」として熱力学第一法則で使用されます。エンタルピーが減ると、それだけ熱量が放出されたということになります。

エントロピー効果が「大きい」とは?

では、エントロピー効果が「大きい」とはどのようなことなのか、具体的にいくつかの例を挙げてみていきましょう。日常的にもエントロピー効果は様々な場面感じられるため、どんな場合に大きくなるのかを見ていきましょう。

コーヒーとミルクの例え

コーヒーにミルクを入れる時、ブラックコーヒーからカフェオレへとコーヒーの色が変化します。しかし、ミルクを入れた後にブラックコーヒーを飲みたいと思っても、混ざってしまった後では元に戻すことはできません。この場合のエントロピー効果はミルクが広がっていく現象であり、時間の経過と共に徐々にコーヒーと混ざっていくので、完全に混ざった状態を”エントロピー効果が最も大きい”と表すことができます。

水とインクの例え

コップに入った水とインクの場合、透明な水が入ったコップにインクを落とすと水に色が付き、少しずつ広がっていきます。エントロピーが起こる前はただの水だったものが、インクを落とすことで色付きの水に変化しました。そのため、水とインクが完全に混ざった時、エントロピー効果が大きいと表せます。

人間の寿命の例え

エントロピーは物以外に、私達人間に必ず訪れる寿命でも働いています。人間は、1年が経つと1歳ずつ歳をとり、身体も成長していきます。しかし、10歳歳をとったとしても10歳若返るということはなく、エントロピーの働きによって寿命に沿って一方向に進んでいます。人間に限らず、命あるもの全てに当てはまり、歳をとる程エントロピー効果が大きいと判断することができるでしょう。

エントロピー効果と熱力学

エントロピーと熱力学の関係は深く、公式によってエントロピーを求めることもできます。ここでは、エントロピーが使用される法則について解説していきます。

熱力学の第二法則

”熱力学の第二法則”では、熱がどのような動きをするかという所に焦点を当てています。低温の水と高温のお湯を1つの容器に用意した場合、2つが混ざり合ったとしても温度が上がることはなく、高温だったお湯が時間と共に低温になるのが自然の働きです。よって、熱力学の第二法則は、熱が高温から低温へと一定方向に移動する現象を指します。その逆の働きをすることは不可能ということから、「不可逆的な現象」という意味を持ちます。

エントロピー増大の法則とは

最初は小さいエントロピーが、徐々に大きくなっていくことを”エントロピー増大の法則”と呼んでいます。部屋の綺麗さで例えると、最初は整理整頓されていて片付いている部屋(エントロピーが小さい)が生活していく中で、何もしない場合はゴミや汚れなどで散らかっていく(エントロピーが大きい)現象です。このように、エントロピーは常に小さい状態から大きな状態となり、エントロピー増大の法則に当てはまっています。

エントロピーの求め方

エントロピーは、一定方向にしか進行しない不可逆状態では求めることができません。以下の公式は逆の働きをする可逆状態でのみ使用でき、この場合のエントロピーは一定となります。

 

ΔS = ΔQ/T ・・・(式1)

ΔS :エントロピーの増加量
T:温度
ΔQ:加えた熱量

(引用元:http://d-engineer.com/netsuriki/entop.html

 

この公式を使用し、可逆に働く「カルノーサイクル」とエントロピーの関係から、エントロピーの増加量を0とすると、熱効率が高くなるか低くなるかなどを調べることができます。

熱力学においての混合度合

2つの気体を1つの容器に入れ、それぞれ均等な体積で仕切った場合、仕切りを取るとエントロピーが働きます。その際、別々の気体だったのが混合するのことを「混合エントロピー」と呼び、理想気体が混じる場合に変化が起こります。この場合の2つの度合は、どちらかが大きくなるわけではなく、均一になるようです。

熱力学におけるエントロピー効果の代表例

熱力学で解説したエントロピー効果の代表例として、「浸透圧」・「エントロピー弾性」・「疎水効果」が上げられます。それぞれどのようなものかを知っておくのも良いですね。

浸透圧

濃度の異なる2種類の溶液を用意した時、溶媒は半透膜を挟むと低濃度・高濃度のどちらの溶液にも移動する働きが生まれます。エントロピー効果が起こる低濃度から高濃度への移動の方が回数が増える傾向にあり、圧力が生じ「浸透圧」となります。

エントロピー弾性

ゴムなどを伸ばした時に、元の形に戻ろうとする働きを”弾性”と言いますが、エントロピー効果によって起こるものが「エントロピー弾性」です。通常、エントロピーは一方向にしか進まないものですが、エントロピー弾性の場合はゴムを引き伸ばすことによってエントロピーが小さくなり、元の形に戻る方向へ変換されます。

疎水効果

水と油を例にとると、2つは混ざり合うことなく分離します。このように水と混合しない効果を「疎水効果」と呼んでいます。分子結合の際、エントロピー効果が関係しますが、一方の分子が疎水効果を持っているとエントロピーが小さいため、結合することなく水と油が分離するようになる仕組みです。

情報理論でのエントロピーの位置づけ

情報は言葉の組み合わせによって構成されていることから、バラバラな文字や単語(エントロピーが大きい)を一つの言葉(エントロピーが小さい)にという点で、エントロピー効果が発生していると考えられます。つまり、エントロピーが低いほど正確で詳しい情報であるという結論に辿り着きます。

情報理論では「情報量」を指す

熱力学とは異なり、情報理論においてのエントロピーの大きさはそのまま情報量を指します。例えば、「12月15日、午後14時30分に東京タワー」という情報があった場合、詳細が全て分かっているこの文章は情報量が多く、エントロピーが低いということになります。「12月15日、東京タワー」となっていた場合は、時間の指定がない分、情報量が少なくエントロピーが高いという感覚です。

情報は時間と共に失われる

1度得た情報はいつまでも記憶として残らず、時間が経つと忘れてしまうことから、この現象もエントロピーによる変化に当てはまります。反対に強く印象に残る情報だと、時間が経過しても忘れにくいため、エントロピーが低くなるでしょう。

エントロピーの低さと情報の多さ

詳しい情報=エントロピーが低いとなります。1つの事柄に関して誰もが知っている内容をメインに説明するのと、より具体的に専門性がある説明を行うのでは、後者の方が情報が多いためエントロピーが低くなるという結論です。

エントロピーによる効果は意外と身近にもあった

一見難しく感じるエントロピーという現象ですが、様々な例を挙げて説明したように、身の回りでもエントロピー効果があることが分かって頂けたと思います。熱力学・情報理論との関係を理解し、知識として取り入れて下さいね。