点滴の効果は症状で違う。メリットや危険なリスクをまとめました

体調が優れない時などに行う点滴の効果は症状によって変わることをご存知ですか?点滴についての基礎知識や症状別の効果を知り、疑問を解決して不安要素を無くしていくために、点滴のメリット・リスクなども合わせて紹介します!

点滴の効果は症状で違う。基礎知識を備えておこう

風邪をひいて辛い時など、病院を受診した時に点滴を勧められたことがある人も少なくないのではないでしょうか。点滴をすることによって症状が和らいだり、身体がラクになると感じることもありますが、点滴は風邪の時以外にも様々な場面で使用され、その人の症状によって異なる効果を発揮します。具体的にどんな効果や種類があるのか、どんな時に点滴を受けると良いのかを解説していきます。

点滴について知ってる?まずは基礎知識を得よう

点滴をする時、どんな種類のものを使用しているのかは意外と知らない人も多いはず。気になるその種類や費用面など知っておきたい基礎知識を頭に入れておくといいですね。

点滴の種類

点滴の種類は大きく分けて7つあり、それぞれ大切な役割があります。大まかな名称と共に一つずつ見ていきましょう。

→①等張液

浸透圧が体内の体液とよく似ていて、生理食塩水を主としています。一般的に使用されることの多い点滴はこの等張液で、血圧を安定させる効果があり、スポーツドリンクとよく似た成分である「リンゲル液」も等張液の一つとして分類されているようです。

→②一号液(低張液)

浸透圧が体液よりも低い点滴を「低張液」と呼び、患者さんの症状が明確になっていない場合は、まず一号液を使用するケースが多くなります。腎機能障害を持っている人にも使用できるようにカリウムが含まれておらず、一号液を使用しながら様子を見ていきます。

→③二号液(低張液)

一号液と違い、二号液には電解質であるカリウム・リンが含まれています。そのため腎機能障害を持つ人や高血圧の症状がある人には使用していません。水分補給がままならず、脱水症状を引き起こしている時に使用されることがあります。

→④三号液(低張液)

三号液はカリウムを含みますが、上記で紹介した一号液・二号液に比べてカルシウムやナトリウムの濃度が約半分に設定されています。嘔吐などで口から水分を摂取できない場合でも、三号液を1日1.5~2.0Lほど体内に入れることで水分や電解質を補ってくれる役割があります。

→⑤四号液(低張液)

三号液よりも濃度が低くカリウムが含まれていないので、腎機能障害を持つ人を始め、手術後にも使用されます。手術などで弱っている身体の回復をサポートする役割を持っていて、子どもや高齢者に使用されることも少なくないようです。

→⑥5%ブドウ糖液

水分補給に使用される点滴で、体内の細胞に効率よく水分を届けてくれる役割があります。血液内にブドウ糖が入るとすぐにエネルギーに変換され、電解質も含まないことから心不全の患者さんにも使用されるケースがあります。

→⑦高カロリー液

低張液である三号液に、栄養となるブドウ糖やアミノ酸をプラスしたもので、食事で栄養を補うことができない場合などに使用されることがあります。絶食治療などの際にも、1日に必要な栄養分を補うのに役立っています。

点滴される部位

点滴される部位は、患者さんの血管の分かりやすさによっても異なりますが、基本的には痛みを感じにくい場所を選びます。腕の外側→腕の内側→手の甲と手首の間の順に痛みを感じにくいといわれていて、血管が見つからない場合は手首を横にある突起の手背側に点滴されることも。手首や肘などは痛みを感じやすい部分なので、ほとんどの場合は患者さんがストレスを感じにくい部位を選んでいます。

点滴の費用と保険費用

一般的に多い風邪の場合に受ける点滴費用を例に挙げると、約1,000~3,000円が一般的なようです。点滴には保険費用が適用されるため、点滴だけだと300円程度だと考えられ、針代なども含めて1,000円程度の場合が多い印象です。症状に応じて複数の点滴を受けると、その分費用も増えることになります。

点滴を希望する人が多い理由

医師に「点滴をしますか?」と聞かれた時、点滴を希望する人が多いのには、心理的効果が大きいことが関係しているといえます。点滴を受けることで症状が緩和されるのは、「点滴することで身体が回復したり気分が良くなる」という心理になりやすいのも一つの理由です。実際に効果が出るまでには時間がかかることあるため、点滴をしてすぐに身体がラクになるというのは精神的安定にも繋がっているといえそうです。

点滴効果と目的

点滴の主な効果と目的は、大きく分けて3つ。どれも体調を整えたり身体を回復させるのに欠かせないので、ぜひ覚えておいて下さいね!

体液の管理

脱水症状や手術時など輸血を必要とする場合に使用され、体液のバランスを保つ目的があります。症状が悪化して危険な状態になる前に適切な点滴を行い、必要な水分・電解質を補給します。

栄養の管理

病気などが原因で口から栄養を摂取することができない場合は、点滴を用いて栄養の管理を行います。1日に必要なアミノ酸や脂肪分、糖分など足りない分を補う形で補給し、点滴から栄養を摂るのが目的です。

薬剤の投与

抗生物質などの薬剤を点滴で投与することもあります。水分や電解質、栄養分を補給する点滴を受けた後に、症状や必要に応じて行うことがあるようです。

点滴の効果持続時間や掛かる時間が知りたい!

点滴をしてからどのくらいまで効果が持続するのかは気になるところ。点滴にかかる時間や効果持続時間の大体の目安を知きたいという人は参考にしてみて下さい。

点滴の効果持続時間

点滴をしてから効果が持続する時間には個人差があります。点滴の種類や数、滴下の速さによっても変わり、滴下が早ければ効果が切れるのも早くなり、遅めだと効果が少し持続すると考えられます。しかし、点滴をしてから1日中効果が持続することはほぼなく、大体半日程度を目安に効果が切れると考えた方が良いでしょう。

点滴が終わるまでに掛かる時間

「点滴をしている時間、いつまで掛かるの?」と疑問に思う人もいますが、こちらも点滴する量や滴下時間によって異なります。100mlで30分程度、500mlで1時間30分程度を目安にして、点滴を複数回行う場合はその分も含めて考えてみましょう。ただし、同じものでも毎回かかる時間が異なることも少なくないため注意が必要です。

点滴の滴下時間

1分あたりの滴下数は、(総輸液量 × 1mlあたりの滴下数) ÷ 時間(分)で計算します。

(引用元:http://web.sfc.keio.ac.jp/~chieko/calc/tenteki.html)

例えば、200mlの点滴を1mlあたり20滴、1時間で滴下する場合は

(200ml×20滴)÷60分=66.6666…

つまり、1分間に約67滴を滴下する計算になります。

点滴の量や滴下数、時間などは異なるため、自分で計算する際は大体の目安として考えてください。

点滴には効果がないってホント?!

点滴をしたからといって、必ずしも効果が出るということはなく、点滴の種類や症状によっては効きにくい場合もあります。全く効果がない訳ではありませんが、過度に効果を期待しないようにしましょう。

点滴の種類によっては効果は薄い…

例えば「ビタミン剤」などは風邪の症状や疲労回復に効果があると思われがちですが、医学的には根拠がないためそのような効果は薄いと考えられています。また、自身が点滴を希望する場合は症状の度合いによって、あまり効果が感じられないこともあるようです。

必ずしも効果が無い訳ではない

点滴は完全に効果がない訳ではなく、脱水症状の際の水分補給や栄養補給などに適していて、嘔吐や発熱などがある時に点滴をすると一時的に身体がラクに感じられる場合もあります。

疲れは点滴で改善される?

点滴で疲れがとれると感じる人もいれば、あまり効果を感じない人もいます。医学的には点滴で疲れをとることは証明されていないため、日常な疲れを改善するには、普段の生活でしっかりと休養をとることを優先しましょう。

口から食事や水分が取れるなら点滴は不要

風邪などで食事や水分を摂れない症状の場合は、脱水や栄養失調を防ぐために点滴をすることで病気による疲労感を和らげる効果があります。疲れていても、食事や水分を摂取できるなら点滴は不要と考えて良いでしょう。

基本的に疲れは休養でとろう

点滴をするよりも効果的なのは、しっかりと睡眠時間を確保したり、リラックスできる時間を増やして身体を休めることです。忙しい日々の中でも疲れを感じたら、こまめに休養をとるように心がけてみて下さい。

こんな時は点滴治療が有効

どんな症状の時に点滴治療がおすすめなのか、例を挙げて解説していきます。下記に当てはまらなくても、症状が重い時は医師に相談してみましょう。

点滴はこんな時に処方される

ケース①:下痢を伴う胃腸炎

→下痢を伴い口からの水分補給が困難

下痢を伴う胃腸炎の場合は、嘔吐した分の水分を補おうとすると症状が悪化してしまうことが多いため、点滴を処方されることがあります。点滴によって失われた水分と電解質を補給する治療法です。

ケース②:蕁麻疹が出た時

→蕁麻疹にはステロイド点滴治療が一般的

身体にかゆみを伴う蕁麻疹の治療法として、ステロイド点滴治療が一般的です。ただし、長期間にわたっての治療は推奨されていないため、そのような場合はしっかりと医師との相談のもと行うようにして下さい。

ケース③:つわりが酷い時

→つわりが酷く、水分補給も満足にできない状態

妊娠時に感じることの多いつわりは、時に水分補給もままならないほど重度に陥ることも決して少なくありません。その場合は、脱水症状や栄養分、吐き気止めを含んだ点滴を処方されることがあるので、つわりが酷い時は無理をせずに病院を受診することも大切です。

ケース④:気管支喘息発症時

→吸入の後症状が軽快しない時

気管支喘息になり、吸入後も症状が軽快しない時は、気管支拡張薬やステロイド剤などの点滴を処方して治療を行います。その後、症状が落ち着くまでは継続し、経過を観察する必要があります。

点滴治療で注意が必要な方

心臓や腎臓に疾患をお持ちの方や高齢の方は、点滴治療を行う前に医師とよく相談するようにして下さい。なぜ注意が必要なのかを理解しておきましょう。

心臓が悪い方

心不全など心臓の病気を患っている場合は、点滴によって弱った状態の心臓に更に負担を掛けてしまう可能性があるため、安易に点滴治療をすることは推奨されていません。急速な点滴を行うと、呼吸困難などの症状を引き起こすこともあるので要注意です。

腎臓が悪い方

腎臓が悪い患者さんがカリウムを含んだ点滴をすると、高カリウム血症になり不正脈になることが考えられます。点滴治療を受ける際は、症状をしっかりと説明し、カリウムを含まないものを選ぶことが大切になります。

高齢の方

高齢の方も、点滴の種類や量によっては、高カリウム血症や水分を多く投与すると腎機能に影響を及ぼす可能性が出てきます。点滴治療の際は投与する量を考えて、様子を見ながら行うと良いでしょう。

点滴は万能薬ではないことを認識しよう

辛い時にお世話になる人も多い点滴ですが、それ自体は何でも治る万能薬ではありません。まずは自分の症状を医師に説明し、点滴が必要な状態なのかを判断してから点滴治療を行うことをおすすめします。点滴の効果に個人差はありますが、急を要する時は医師に相談して適切な治療を行って下さい。